私的遺言はどんな時に必要か?

1、感謝の気持ちを伝えたい人がいる

[例]

  • 私の介護を嫌な顔ひとつ見せずやってくれてありがとう。

2、その他伝えたいこと(希望)がある

[例]

  • 残された妻が寂しい思いをしないよう、子供達みんなで協力し合い、支えてあげて欲しい。
  • 「投資は熟考の上でするべし、投機は御法度」の我が家の家訓を後世に受け継いで欲しい。

3、連絡をしてほしい知人がいる

  1. 危篤時
  2. 葬儀時
  3. 死亡の通知のみの3種類に分けて明記するとよいでしょう。

4、葬儀の方法を自分で決めたい

  1. 葬儀の規模(質素か盛大か)
  2. 葬儀の個性(音楽葬など)
  3. 宗教
  4. 戒名
  5. 死装束
  6. お棺に入れてもらいたい物
  7. お墓の形とその場所
  8. 埋葬方法(散骨など)

などを指定します。

最近では、故人の希望により、個性的な葬儀も増えてきている半面、身内だけの密葬や香典を辞退する葬儀も増えています。

5、祭祀継承者を指定したい

先祖代々の墓地や仏壇を受け継ぎ、法要等を取り仕切る人を決めておきたい

6、死の迎え方で伝えたい事がある

死の迎え方で、その親族がどうしたらいいのか判断に迷う事柄について、事前に自己の意思を残しておくために行います。

A、死期(病名及び病状)の告知

告知及び不告知の希望がある場合は、私的遺言により意思を明記しておいたほうがいいでしょう。告知は現在では医療現場のインフォームドコンセントの浸透に伴い一般的になってきてはいますが、医師の伝え方にも大きく左右され、また当然個人差があるので、告知がプラスにはたらく人とマイナスにはたらく人がいるのが実情です。自分のことをよく考えて意思を表しましょう。

メリット

  • 治療に積極的になる。
  • 体の異常や再発の早期発見に繋がる。
  • 余生を充実して送れる。
  • 遺言等身辺の整理ができる。
  • 親族の精神的負担が軽減される。

デメリット

  • ショックのため闘病の意欲を失うことがある。

B、「尊厳死」について

下記の希望がある場合は、私的遺言の「尊厳死の宣言書」を作成することにより、事前に自己の意思を宣言することが必要です。

  1. 「大脳皮質」は死んでしまって人間としての精神活動は停止していますが、脳幹は生きていて生命活動は維持できている状態(植物状態)になった時で回復の望みが非常に少ないと医師が判断した際に、積極的な延命措置を拒否したい場合
  2. 不治の病で死期が迫っている場合、たとえ死期を早めることになったとしても、苦痛を和らげるための積極的な医療措置を希望する場合
    ただし、専門家の中には、終末期を迎え、自分の意思を伝えることが出来なくなったとき、「尊厳死の宣言書」により一度表明してしまった上記の意思の変更ができないというマイナス面を指摘するひともいます。

C、「臓器提供」について

臓器提供するには、本人の明確な意思表示と家族の同意が必要です。
臓器提供意思表示カードは、

  1. 裏面の1(脳死)か2(心臓死)かのどちらかの提供希望臓器に○印をつけること
  2. 署名年月日
  3. 本人の自筆署名

の3点全てがなければ無効になります。
家族の同意を得るためには、事前に臓器提供意思カード裏面に家族の署名をもらっておくほうがよいでしょう。 家族の事前署名が叶わない場合は、提供時に同意を促す上でも別途臓器移植の意思を私的遺言の「意思確認書」において明記しておくとよいでしょう。