倉庫業登録のための条件

倉庫業登録が国土交通大臣に認められるための条件には、申請者や役員が欠格事由に適合していないことや倉庫管理主任者がいること、倉庫が建築基準法や都市計画法に則って作られた建物ということがあります。

欠格事由とは?

倉庫業登録では、申請者または役員が欠格事由に該当してしまいますと、登録が認められません。倉庫業登録の際の欠格事由には次のようなものがあります。

刑罰に関するもの

申請者が1年以上の懲役もしくは禁固刑となってから、執行が完了した日または、執行を受けなくなった日から2年を過ぎていない場合が当てはまります。

登録の取り消し

申請者が倉庫業法第21条に基づき、倉庫業の取り消しとなった場合、取り消しが決定した日から2年を超えるまでは、倉庫業の登録はできません。

法人の場合

申請者が法人の場合、取締役や監査役などの役員も上記のどちらかに当てはまりますと、倉庫業の登録を受けることはできません。

倉庫管理主任者

倉庫管理主任者は、倉庫ごとの防災や管理をするための責任者です。基本的には、倉庫1つに対して1人の倉庫管理主任者を置くことになります。

ただし、同じ敷地内にある倉庫や、同じ営業所が管理する同じ都道府県にある2つ以上の倉庫に関しては、総面積が1万平方メートル以下であれば、1つの倉庫としてみなされます。

倉庫管理主任者になるための条件

倉庫管理主任者になるためには、以下の4つの項目のどれかに当てはまることが必要です。

・指導監督としての業務経験が2年以上
・3年以上の管理業務経験
・一般社団法人日本倉庫協会の管理に対する講習を修了している
・国土交通大臣によって、上記と同様の知識や能力があると認定された人

倉庫管理主任者になれない人とは?

倉庫管理主任者の条件を満たしたとしても、次のような人は、倉庫管理主任者になることができません。

・1年以上の懲役や禁固刑が科せられ、執行の完了した日あるいは、執行を受けなくなった日から2年を超えていない人

・倉庫業登録の取り消しが決定した日から2年を過ぎていない人

倉庫の建設に関する注意点

倉庫の建設は、建築基準法や都市計画法の遵守が基本であり、他人から依頼された物品を保管するという業務であることから、一般的な住居やオフィス用の建物よりも厳しい基準が適用されています。

倉庫業登録が認められない地域

倉庫の立地が都市計画法において認められない地域には、次のようなものがあります。

・第一種住居地域
・第二種住居地域
・第一種低層住居専用地域
・第二種低層住居専用地域
・第一種中高層住居専用地域
・第二種中高層住居専用地域
・開発の許可が得られない市街化調整区域

建築確認済証「08510」

倉庫としての利用を目的として建てられた建築物には、建築確認済証の用途欄に「08510」のコードナンバーが記されています。倉庫業登録の前には「完了検査済証」とともに、必ず確認しておきましょう。

賃貸でも倉庫業登録は可能

自己所有の倉庫はもちろんのこと、賃貸の倉庫であっても倉庫業登録ができます。賃貸の倉庫で登録の際には、賃貸借契約書の写しが必要書類のひとつとなります。

それから、転貸借の倉庫に関しては、所有者の承諾書が必要書類に含まれます。

施設の設備基準と建物の図面

倉庫業登録では、一類倉庫や危険品倉庫、冷蔵倉庫や貯蔵槽倉庫などの種類ごとに、それぞれの施設の設備基準を満たす必要があります。ここでは、一類倉庫を例として紹介します。

施設の設備基準 条件 必要な建物の図面
床および外壁の強度 ・鉄筋コンクリート造
・窓がない
・床の耐力が3900N/平方メートル以上
・立面図
・矩計図
土地の定着性 土地に対して屋根や壁がきちんと定着している ・立面図
防火区画 ・倉庫内の事務所の床や壁が耐火構造による区画
・防火戸のみの開口部
・立面図
・矩計図
災害防止の措置 倉庫の外壁より10メートル以内に建物が存在しない ・倉庫の配置図
防水性能 ・鉄筋コンクリート製で防水塗装済みの外壁や屋根・雨樋
・水や桶の使用が倉庫内でされない
・矩計図
防湿性能 ・コンクリート造の床
・金ゴテ押さえ仕上げ
・矩計図
消火設備 各フロアーの床面積200平方メートルにつき1台以上の消火施設 ・平面図
(消火器の位置が記載されているもの)
防犯措置 ・機械警備
・網入りガラス
・施錠扉
・出入口周りの照明が2ルクス以上
・部外者の管理施設との隣接がない
・建具表
・平面図
(照明施設が記載されているもの)
防鼠措置 ・下水道、下水管、地窓への金網設置
・完全密封可能な出入口扉
・建具表
・平面図
・矩計図