ストーカー行為

ストーカー行為

最近では、離婚協議や離婚調停中にある別居した夫婦間や、既に離婚した元夫婦間で一方がストーカーとなるケースが増えています。この事態に対し、平成12年に「ストーカー行為等の規制等に関する法律」(ストーカー規制法)が施行され、ストーカー行為の処罰が出来るようになりました。

ストーカー規制法の対象となる行為

ストーカー規制法の対象となる行為は、次のいずれかに該当する行為を繰り返し行った場合となります。

1. つきまとい、待ち伏せ、進路に立ちふさがる、住居・勤務先・学校その他の通常所在する場所の付近において見張りをする、または住居等に押しかけること

2. 行動を監視していると思わせるような事項を告げる、またはその知りうる状態に置くこと

3. 面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること

4. 著しく粗野または乱暴な暴言をすること

5. 電話をかけて何も語らず(無言電話)、また拒まれたにもかかわらず、連続して電話をかける、もしくはファックスを送信すること

6. 汚物、動物の死体その他の著しく不快、または嫌悪の情を催させるようなものを送付する、またはその知りうる状態に置くこと

7. 名誉を害する事項を告げる、またはその知りうる状態に置くこと

8. 性的羞恥心を害する事項を告げる、もしくはその知りうる状態に置き、またはその性的羞恥心を害する文書。図画その他のものを送付もしくはその知りうる状態に置くこと

ただし、1~4の行為については、身体の安全、住居などの平穏もしくは名誉を害される、または行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われた場合に限っています。

ストーカーへの対処法

ストーカーに対する対処法には次のような方法があります。

1. 通知書・警告書を送付する

加害者が判明している場合は配達証明付き内容証明郵便の方式で、通知書・警告書を送りましょう。

2. 警察から警告してもらう

警告書でも被害が止まらない場合は最寄りの警察署の生活安全課に相談し、つきまとい等に係る警告を求める旨の申出をすることで、警察本部長から加害者に警告を発してもらえます。この申出は必ず本人が行って下さい。なお、この警告には罰則規定はありません。

3. 警察に仮の命令を出してもらう

警告の申出の時点でストーカー行為がエスカレートしていて、緊急に対処しなければ被害者が重大な犯罪に巻き込まれるという危険性がある場合は、警察は加害者からの事情聴取を経ずに、当該行為を止めるよう「仮の命令」を出すことが出来ます。ただし、あくまでも仮の処分であるため、有効期間は15日間となっています。

4. 公安委員会に禁止命令を出してもらう

警察からの仮の命令が出されている期間中に、警告に従わず「つきまとい等」を行った者に対して、都道府県公安委員会が加害者に事情を聴取したうえで、当該行為を禁止する命令を出すことが出来ます。

5. 刑事告訴する

相手が禁止命令に従わないと思われる場合や、ストーカー行為に暴行や脅迫があり身体の危険を伴う場合は、警察に強制捜査をしてもらうことが出来ます。この場合、告訴(告発)状を提出し刑事告訴(告発)を行う必要があります。ストーカー規制法に基づき警察の捜査が始まると、ストーカーは逮捕され、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。

このような相手に対処するには、警察や専門家の助けを借りることが最善の策だと思われます。「配偶者暴力相談センター」「母子生活支援施設」「民間のシェルター」などの相談窓口があることも覚えておきましょう。