産業廃棄物収集運搬許可の要件

産業廃棄物収集運搬許可の要件

産業廃棄物収集運搬業許可を受けるには、以下の5つの条件を全て満たしている必要があります。

産業廃棄物収集運搬業許可申請に関する講習会を受講していること

産業廃棄物収集運搬業許可を取得するには、財団法人日本産業廃棄物処理センターが実施する産業廃棄物処理業の許可申請に関する講習会を受講し、修了することが必要となります。
新規課程講習会を受講しなければならないのは以下の方になります。

法人で申請する場合・・・取締役又は事業所の代表者
個人で申請する場合・・・事業所の代表者

講習会は、47都道府県で実施されています。許可申請先に関わらず受講は希望の会場・日程を選択することが出来ます。

経理的基礎を有していること

産業廃棄物収集運搬業(積み替え保管を除く)を的確かつ継続して行うことが出来る経理的基礎が必要となります。経理的基礎の要件は、申請先ごとに相違します。経理的基礎とは、具体的には以下の項目で判断されます。

1.利益が計上出来ていること
2.債務超過の状態でないこと

経理状況等によって不許可となる場合、追加資料(中小企業診断士の経営診断書等)を提出することで経理的基礎の要件を満たす場合があります。なお、経営診断書が必要かどうかの要件は、申請先ごとに相違します。

事業計画を整えていること

許可を申請する前に、その内容が計画的に実施され、適法であり、業務量に応じた施設や人員などの業務遂行体制を整えていることが必要となります。
具体的には次の通りです。

1. 排出事業者から廃棄物の運搬の委託を受けることが確実で、産廃の種類や性状を把握できること
2. 取り扱う産廃の性状に応じて、収集運搬基準を遵守するために必要な施設があること
3. 搬入先が産業廃棄物を適正に処理できること
4. 業務量に応じた収集運搬のための施設があること
5. 適切な業務遂行体制が確保されていること

欠格要件に該当しないこと

申請者(個人事業主、法人の役員、株主または出資者)が下記の欠格事由に1つでも該当する場合は許可を受けることが出来ません。また、許可後においても下記欠格事由に1つでも該当した場合は許可の取り消し処分を受ける場合があります。

1. 成年被後見人あるいは被保佐人又は破産者で復権を得ない者

2. 禁固以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者

3. 暴力団員又は暴力団員でなくなつた日から5年を経過しない者

4. 法人で暴力団員等がその事業活動を支配するもの

5. 下記の法令等に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行をおわり、又は執行を受けることがなくなってから5年を経過しない者

■廃棄物処理法
■浄化槽法
■大気汚染防止法
■騒音規制法
■海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律
■水質汚濁防止法
■悪臭防止法
■振動規制法
■特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律
■ダイオキシン類対策特別措置法
■ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法
■暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」(第31条第7項を除く)
■刑法第204条(傷害罪)
■刑法第206条(傷害助勢罪)
■刑法第208条(暴行罪)
■刑法第208条の3(凶器準備集合・結集罪)
■刑法第222条(脅迫罪)
■刑法第247条(背任罪)

6. 廃棄物処理法、あるいは浄化槽法の違反により許可を取り消され、その取り消しの日から5年を経過しない者

収集運搬に必要な施設があること

運搬施設の要件申請者は、産業廃棄物が飛散、流出し、並びに悪臭が漏れるおそれのない運搬車、運搬容器等を有すること。また、継続的に運搬施設等の使用権限を有する書類(車検証など)を提出する必要があります。

産業廃棄物の種類 具体的な対策例
汚泥 ドラム缶、または水密仕様ダンプ車・汚泥吸引車で運搬
廃油 密閉可能なドラム缶を使用して運搬
廃酸・廃アルカリ 密閉可能な耐酸性・耐アルカリ性のプラスチック容器で運搬する
燃え殻・ばいじん・動物性残さ・鉱さい 密閉可能なドラム缶などで運搬
動物の死体 運搬中の腐敗を防止するため、保冷車、冷蔵車等の車両で運搬